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○2023年北方山草会講演会

「北海道のキク科トウヒレン属」(国京潤一さん)の講演要旨


 まず、トウヒレン属とアザミ属の相違点について説明がありました。
解剖しなくてもわかる点は柱頭の形と茎葉の縁とのことです。
花を分解するとこうなります。
この仲間は総苞片の列数が重要になりますが、慣れないとそう簡単にはわかりそうもありません。
トウヒレン属は日本には71種あり、そのうち北海道には14種分布します。東北には24種あり、理由はわかりませんがそれよりもかなり少なくなります。
北海道のトウヒレン属です。
生育環境は種ごとにかなり限定されており、種の見当を付けるにはよいようです。
ここからは検索表です。
総苞片に付属体があるものはヒメヒゴタイのみです。茎葉も羽状深裂し特徴的です。
花床に剛毛がないものはユキバヒゴタイとなりますが、解剖しなければなりません。葉の裏側は綿毛で真っ白です。
次は総苞の太さと茎葉の毛でウスユキトウヒレンとユキバトウヒレンが分かれます。
総苞が細いグループです。4種ありますが、この辺からもうわからなくなってきます。
比較的最近発表されたコンセントウヒレンです。
ごく最近新種として記載されたツルイトウヒレンとの違いが微妙です。
フォーリーアザミは割と近くにもあり、わかっている気もしますが
カムイトウヒレンもあると言われると、注意深くないとわからないでしょう。
ナガバキタアザミはよく見る気がしますが、やはり総苞片の形が重要とのことです。とは言っても形は産地によってもかなり違うらしいので注意が必要です。
ナガバキタアザミです。
超塩基性岩に生育するものは3種です。
ヒダカトウヒレンです。
ウリュウトウヒレンです。
最後は海岸草地に生育するもの2種です。
エゾトウヒレンです。
カラフトアザミです。

 関心を持たれた方は、現地で何種か見つけて比較すると面白いかも知れません。夏の花なので、花が少なくなってきた時期に挑戦してみるのもよいかも知れません。


「2022 年水生植物相調査の成果概説 〜久種湖,半月湖,茨戸川〜」(首藤光太郎さん)の講演要旨

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